築80年の平屋の一戸建て木造住宅の施工記録
現地調査 | |
敷地、外観、屋内、床下など、建物の現状を調査させていただきました。 | |
隣地との境界 |
外観 |
建物内 |
床下 |
解体 | |
床、壁、天井などを解体することで、家を支える構造材があらわになりました。外壁や内装材で覆われている時には、見えなかった、躯体の傷みも見えてきます。幸い、躯体が大きく腐食している部分もなく、現状のまま利用可能な構造はそのまま残し、必要に応じて補強補修を行っています。土台など木材の腐食が進んでいる部分は、撤去し、新しい木材と入れ替えます。 | |
小屋組み |
躯体 |
土台の腐食 |
土台は地面に近いので腐食しやすい |
屋直し | |
建物の内外に取り付けられた斜めの部材で柱を引いたり押したりしながら、建物を水平、垂直に直す作業をしています。斜めの部材は、仮の部材で、屋直し後は撤去します。 | |
屋直し |
建物の歪みを直す |
外壁下地 | |
構造用合板による壁の補強 |
透湿防水シート施工 |
木工事 | |
天井下地施工 |
間柱施工 |
天井断熱材施工 |
壁断熱材施工 |
内装下地 | |
壁下地施工 |
内装下地 パテ処理 |
外壁工事 | |
外壁施工 |
外壁施工 |
内装仕上げ | |
外観は、深みのあるブラウンの外壁材を使用し、落ち着きのある仕上がりに。家の周りの雑草対策と水捌けを良くするため100mm下掘りをして砕石を敷き込みました。内装は、壁や天井をアイボリー系の明るい色でまとめ、木部を少し濃い目の茶系で塗装し古い木材の色むらが目立たないように仕上げてあります。和室の障子などは、施工前のものを利用した再生建具を使用しています。構造材はもちろん、活かせるものは捨てずに活かす施工が可能なのも、木造住宅の利点の一つです。 | |
家の外周 砕石敷き込み |
和室障子 |
内装仕上げ |
建具 |
キッチン |
トイレ |
内装仕上げ |
畳敷き込み |
木造住宅の骨格は80年たっても、健在でした。補強次第で何度でも再生できる木造住宅の逞しさを実感した現場でもあります。古い家の解体を進めるうちに、その家を建てた職人さんの技術を目にすることが出来ました。80年の時を超え土台、柱、梁に刻み込まれた先人の知恵と技術に触れることができるのもリノベーション工事ならではです。
『建物を甦らせる』日本建築の匠の技を次の世代に伝えることも、私たちの大切な仕事のひとつと考えています。弊社でもこの現場から学んだことも合わせ、熟練の職人から若い職人への建築技術の継承を今後も続けていきたいと思います。