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宮城県仙台市の工務店 栗駒建業

湿気に負けない家

家は湿気が大の苦手。湿気が家にあたえるダメージは様々で、放っておくと事態は深刻になります。湿気に強い家とは、どんな家でしょう?

湿気が家にあたえる悪影響

湿気を放っておくと、押入れやタンスの裏などの風通しの悪い場所や水洗トイレのタンクやサッシなどに結露が生じやすくなります。たかが湿気や結露と放っておくと、事態は深刻に...
 
湿気 
結露 
 ↓  ↓
 カビの発生  腐朽菌の繁殖
 ↓  ↓
 ダニの繁殖  シロアリの発生
結露を放置しておくとカビが生えやすくなり、カビを餌にするダニの発生や繁殖につながります。カビやダニは、喘息やアレルギー、皮膚炎の原因ともいわれ人体に悪影響を及ぼします。 木を腐らせる腐朽菌は、湿気の多い木に繁殖する細菌です。腐朽菌によって腐った木材はシロアリの餌となります。シロアリの食害が進むと、家の傾きや倒壊など大きな被害にもつながります。 

木造在来工法

日本の気候、風土が生んだともいわれる『木造在来工法』は、高温多湿の日本には最も適した住宅といえます。
木には優れた調湿機能があり、湿度の高い夏には湿気をとり込み、乾燥した冬の時期にはため込んだ湿気をはきだします。湿度の調節を自然にしてくれる木の家は、湿気に強い家ともいえます。

真壁工法

真壁工法 湿気に強い木造在来工法の家でも、木(構造材)を呼吸しない仕上げ材で覆ってしまっては折角の調節機能も活かせません。真壁構造という工法は、構造材はあらわしのままに内装を仕上げるため、木の呼吸を妨げず調湿機能を充分に発揮します。逆に木組みの構造体を建材やビニールクロスで覆い隠してしまう工法は大壁構造といいます。 

基礎/地面からの湿気を抑える

基礎 床高が地面に近いと床下の通気が滞り、湿気も上がってきてしまいます。床をできるだけ、土から離すことが大切です。地盤面から60cm以上取ってあげるのが理想ですが、コスト面や斜線制限などで難しい場合は、せめて45cmは離してあげたいものです。(ちなみに、栗駒建業では標準仕様の建物でも地盤から60cm離しています。) また、地盤が弱い建築地などで良く使われるベタ基礎 (布基礎の内部までコンクリートで覆う基礎)は、地面からの湿気をシャットアウトするので、湿気対策にも有効です。他には、炭(木炭)を床下一面に敷き詰めて、湿気をおさえる方法などもあります。

内装の仕上げ材

無垢の床板 内装にも調湿機能に優れた素材を使ってあげることが大切です。
木や和紙、土、草などの自然素材は、調湿機能に優れた素材といわれています。床などは、表面がピカピカに塗装されたフロア材より無垢の木の床材の方が、湿度の高い日でも肌ざわりがベタつきません。これは、木の持つ優れた調湿機能によるものです。
ビニール系クロスを貼った壁は、特に湿気の多い日は表面に薄らと汗をかいていることがありますが、漆喰や聚楽壁のような塗り壁、または、無垢材の板を貼った壁などは、素材が湿気を吸い込むのでべたつきません。押入れなど湿気のこもりやすい場所は、全面に杉板を貼るのもおすすめです。最近は、壁紙も様々な新商品が開発され呼吸をするクロスなどもあります。いずれにしても、できるだけ木の呼吸を妨げない素材で内装を仕上げることが大切です。

風通しの良い間取り

家の中に湿気をため込まないためにも、家の中の風通しは考えたいものです。できれば南から北に風が抜けるように、開口部を確保するのが理想的ですが、難しい場合は東西でも、東南でもかまいませんから風の入口と出口を造ってあげることが大切です。